適応障害で休職・退職を選んだ話|再就職までの回復過程

適応障害で休職・退職を選んだ話|再就職までの回復過程

※本記事は筆者個人の体験談です。心身に異常を感じた際は、速やかに専門の医療機関を受診してください。

悩んでいる人

仕事中、なぜか毎日頭が重い。常に頭に霧がかかったような感覚で、ぼーっとしてしまう…

もし今、あなたがそんな状態を「やる気が足りないだけ」「寝れば治る」と考えているなら、一度立ち止まって、自分の体調を見直してみてください。

新卒で入社した会社で働いていた私は、まさにその状態でした。結果として適応障害と診断され、自分でも何が起きているのか分かりませんでした。

当時は今ほどメンタルヘルスへの理解がなく、周囲に「気の持ちよう」と片付けられることもありました。今振り返ると、あれは自分の体からの「もう無理だ」というサインだったのだと思います。

今回は、私が適応障害で休職・退職を経験し、そこから少しずつ心身を立て直して再就職するまでの過程をお話しします。

休職中に何をしていたのか、退職を決めたきっかけ、家族への報告、そして再就職に向けて取り組んだことまで、私自身の経験をもとにまとめました。

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目次

【過労】仕事中に頭痛、頭がぼーっとする感覚

私の新卒時代は、完全に異常な部署に配属されました。現場の作業責任者になり、休みは月にたったの1日。早朝から深夜まで現場に追われる日々でした。

入社して2年目、私の体には明らかな異変が出始めました。

まず現れたのが、毎日続く原因不明の頭痛です。デスクに向かっていても意識が遠のき、常に頭に霧がかかったようにぼーっとする感覚に襲われるようになりました。

周りも同じように働いている環境だったため、「疲れているのは自分だけじゃない」「弱音を吐いてはいけない」と自分の感覚を疑ってしまっていたのです。

しかしある日の仕事中、ついに限界が来ました。立っていられないほどの目まいに襲われ、その場で崩れ落ちてしまったのです。

すぐに病院へ行きましたが、最初の診断は原因不明。当時は今のように適応障害という言葉が一般的ではなく、周囲の理解も乏しい時代でした。

いくつもの病院を回り、ようやく下された診断が過労による適応障害でした。医師から「休まないと取り返しのつかないことになる」と告げられ、私は約2カ月の休職に入ることになりました。

そのとき、私はまだ「復職して頑張らなきゃ」と自分を追い込んでいました。そんな折、上司との面談の際に衝撃の真実を知ります。

上司との会話
上司

あなたの指導者も休職した経験があるんだよ。あと、〇〇さんはストレスで病気になり、食事制限しなきゃいけない体になってしまったんだよ。でもみんな乗り越えて今も頑張ってるんだし、ゆっくり休んでまた戻ってきな

ゆうらいと

はい!ありがとうございます(私の職場ヤバすぎでは…)

ストレスで円形脱毛症になっている先輩もいました。

今振り返ると、この職場では過酷な環境が当たり前になっていたのだと思います。

【休職】ソロキャンプとブログ開設で生きる実感を取り戻す

休職に入ったものの、最初は社会から取り残されている焦燥感で夜も眠れませんでした。しかし「何もしないのはもったいない、やりたいことをやろう」と思い立ち、行動を起こしました。

世の中から逃れたくなり、夜行バスで東京都最高峰の雲取山へ向かいソロキャンプを体験。山頂で飲んだビールの味や、夜中にシカの群れに囲まれた非日常な体験、翌朝の綺麗な富士山に触れ、「仕事の悩みなんて大自然の中ではちっぽけだ」と心が軽くなりました。

適応障害の休職中の過ごし方。雲取山テント泊の写真
当時の雲取山での写真。

下山後は友達と会って笑い合ったり、実家で家族の優しさに包まれながらWordPressでブログ作り(当サイトの原点)に挑戦したりしました。

自分の手で新しい場所を作り上げ、思いを文章にする経験は、失っていた自信と生きている感覚を取り戻す大きなきっかけになりました。

【復職】新社長の一言が人生のターニングポイントに

休職を経て復職した直後、会社に激震が走りました。

新しく就任した社長が、全社員と個別面談を行うというのです。

私は、自分の体調や現場の過酷さを少しでも理解してもらえるのではないかと、淡い期待を抱いて面談に臨みました。しかし、そこで投げかけられた言葉は、私の人生観を180度変えるものでした。

新社長の一言
ゆうらいと

残業と休日出勤が多いのですが、対策しないのでしょうか?

新社長

君、残業ができて、休日出勤もできて、その上にお金ももらえるんだよ? こんなに貴重な経験、他ではできないよ。幸せなことだと思わないか?

ゆうらいと

……………はい

その言葉を聞いた瞬間、「この会社に戻り続けるのは難しい」と感じました。この人たちとは一生分かり合えることはないと感じたと同時に、不思議と心が軽くなりました。

「こんな価値観の場所にいたら本当に壊れてしまう」と、辞める決心がついたのです。

【親への報告】家族との向き合い方と伝えるためのコツ

退職という決断を下し、心身の重荷から解放された私でしたが、実はもう一つ、上司に辞意を伝えることと同じくらい、あるいはそれ以上にハードルが高いと感じていたことがありました。

それは両親への報告です。

新卒ですぐ辞めるなんて情けないし、親にどう言えばいいのか分からなくて、当時は本当に憂鬱でした。「親をがっかりさせたくない」という気持ちが一番強かったです。

最初に休職したとき、退職するかどうかをそれとなく伝えたとき、親から返ってきたのは定番の言葉でした。

休職したときの会話
ゆうらいと

このまま今の会社を続けるか迷ってる…

せっかく入ったんだし、もう少し頑張ってみたら?

親に悪気はありません。ただの心配です。

しかし、限界だった当時の自分には、その一言が「まだ頑張りが足りないってことか」と余計に重くのしかかりました。

ここで、やっぱり自分が甘いのかと思い込んで、さらに心を削ってしまう人は多いと思います。

結局のところ、親には職場の状況や自分の苦しさを100%理解してもらうことは難しいと感じました。

もし今、親への報告で悩んでいるなら、意識してほしいポイントは3つです。

意識するポイント
  1. 相談ではなく決断を伝える:「どう思う?」と判断を委ねるのではなく、自分がどうしたいのかをまず伝えることが大切です。
  2. 自分の体調と気持ちに正直になる:「キャリアが〜」とか難しい説明はいりません。「毎日頭が痛い」「朝ベッドから起き上がれない」など、体のSOSをそのまま伝えてください。
  3. 親の反対は敵対心ではなく心配:親が反対するのは、あなたの敵だからではなく、あなたの将来を心配しているからです。その心配を「自分の人生に責任を持つから大丈夫」という態度を見せるしかありません。

実際に、私が震える手で実家に電話をして「会社を辞める」とハッキリ伝えたとき、両親の態度はガラッと変わりました。

退職を伝えたときの会話
ゆうらいと

やっぱり今の会社、辞めることにした…

そんなに辛いなら、無理して続けなくていい。

あんなに頑張れと言っていた親が、覚悟を決めた姿を見せたら一転して味方になってくれました。

親が本当に望んでいるのは、立派な会社にしがみつくことではなく、子供が心身ともに健康で生きていることだと、その時ようやく分かりました。

【退職】適応障害による頭のモヤが晴れる

数ヶ月後、私は正式に退職して無職になりました。

会社を離れて数週間が経った頃、あんなに毎日続いていた頭痛や頭の重さが、少しずつ気にならなくなっていきました。

視界が明るくなり、思考がクリアになっていく感覚もありました。環境から離れることで、心身にかかっていた負担が大きかったのだと実感しました。

もちろん、物理的な症状が治まったからといって、すぐに社会復帰できたわけではありません。

削り取られた体力や失われた自己肯定感をゆっくり取り戻し、働くための身体を慣らしていくまでには長い時間が必要でした。

再就職までに実践した4つのステップ

焦って復職や就活を進めるのではなく、まずは朝起きる時間を固定したり、外に出る練習をしたりと、段階的に生活を立て直していきました。

私が実践した4つのステップは以下の通りです。

適応障害からの再就職までの4ステップ
STEP
【土台作り】生活リズムとメンタルを整える

まずは働くための基礎体力作りを行いました。無理な行動はせず、朝起きることから始めるのが確実な第一歩です。

STEP
【環境整備】自分に合った就職サービスを揃える

自分のペースで準備を進めるために、リクナビNEXTの診断ツールなどを活用し、客観的に自分の強みを把握しました。

STEP
【書類作成】空白期間をごまかさない履歴書を作る

事実を正確に伝えつつ、意欲をアピールする構成を考えました。空白期間があっても書類選考は通過できます。

STEP
【面接対策】ブランクに対する回答の切り返しを固める

上手く話そうとせず、前向きな働く意欲をアピールしました。何回も面接を受けて、落ちてはブラッシュアップしてを繰り返しました。

何度も失敗を繰り返しましたが、最終的には、公務員と民間正社員の両方から内定をいただくことができました。

もしどちらの道に進むか迷っている方は、こちらのロードマップ記事をお読みください。

まとめ:つらいときは迷わず逃げていい

今、もしあなたが仕事で心身を壊しかけているなら、これだけは覚えておいてください。会社はあなたの代わりを見つけられますが、あなたの人生の代わりはどこにもいません。

今回の学び
  • 心身の異常を感じたら、無理を続けず、休職や退職を含めて環境から離れることも選択肢になる
  • 休職中のソロキャンプやブログ開設など、非日常の体験が生きる感覚を取り戻すきっかけになった
  • 親への退職報告は相談ではなく決断を伝える。覚悟を見せれば一番の味方になってくれる
  • つらい環境からの退職は逃げではなく、次のステージで勝つための戦略的撤退である

頭が痛い、会社に行くのがつらいなど、心身に異変を感じているなら、「まだ頑張れる」と無理を重ねる前に、一度立ち止まってください。

まずはゆっくり休んで、自分を回復させることが最優先です。

もし心が少し落ち着き、次のステップに進みたくなったときは、焦らず以下の記事から参考にしてみてください。

世間の偏見や恐怖心を打ち破りたい方へ

少しずつ次の仕事や選択肢を見てみたい方へ

適応障害で休職・退職を選んだ話|再就職までの回復過程

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この記事を書いた著者情報

ゆうらいとのアバター ゆうらいと 元3年ニート

新卒時の過労による退職後、3年間のニート生活を経験。そこから公務員試験に合格し、民間企業からも正社員として内定。その後、大手企業への転職も経験しています。自身の経験をもとに、ニート・空白期間からの就職攻略法を発信中です。
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